アナルコ・キャピタリズム研究(仮)

生活保護廃止論(2days)

06/02/27 生活保護を受ける世帯数が100万を超えたという。 単純計算で人口300万人以上だ。

効用だけ考えると 最もリッチな人から最もプアな人への1ドルの移転 はつねに効率的になる、と思うかもしれない。 だが個人間で1ドルの効用を比較したりすることはできない。 ただそのような移転は政府がいなくても起こるだろうと言えるだけである。 最富者から最貧者への自発的な寄付行為は資本主義がふつうに機能していれば 十分期待できる。

そもそもリッチ/プアというのは簡単に定義できない。 ある時点で収入が多い人も将来は収入が減ったりなくなったりする可能性が 十分ある。あるいはそうだからこそ現在頑張って収入が多いのかもしれないのである。

政府による所得移転とは盗みの代行サービスである。 サービスなのだからそれはタダではできない。 少なくともそれらを扱う役人たちの給料をコストとして伴う。 また盗みなのであるから道徳的にも間違っている。 これは事後的な面からの再分配政策の否定である。

より重要で、しかし見過ごされやすいのは事前的な面である。 お金を稼ぐと部分的に(累進課税のもとでは稼げば稼ぐほど) それを政府にもっていかれるとき、人々は行動の仕方を変える。 つまり政府の行動は個人のインセンティブを変えるのであり、 この場合それは非効率を生み出す(=不正な)インセンティブである。

100円のものを買うと5円もっていかれる。これはたしかに消費を抑制する。 100円ショップで本来5個買っているはずの人は4個しか買わなかったりするだろう。 所得税(直接税)はどうか。仮に一律5%というフラットな所得税の場合、 100円稼ぐと5円もっていかれる。これは生産(労働)を抑制する。 いずれの課税もインセンティブを変える。 そして端のほうのパイが消えてなくなり非効率になる。 (つづく)


06/02/28 昨日からのつづき。

では税金を一元化するとして

  • 消費税への一元化、たとえば20%
  • フラットな所得税への一元化、たとえば20%
    はどちらがいいか。

    引退した老人は後者のほうがいいと思うかもしれない。 だがそれは誤りである。 若者は労働を減らすから、企業は労働を安く買えなくなり、 結果生産するものの価格を上げなければならない。 すべての商品とサービスでこれが起こる。

    全体ではどっちの方法が効率的か=よりパイを減らさないか。 いろいろ考えてみるとけっきょく、消費税も所得税も政府へ入るルートが違うだけで、全体の非効率さは課税の全体的なレベルで決まるとわかる。 つまり消費税と所得税のどちらに一元化しようとも全体的な結果は同じである。 このことは少なくとも単純なモデルの上でははっきりと言える。

    では政府が多くを盗もうとするなら前者と後者どちらがいいか。 だれも消費税からは逃れられないから前者だと期待するのはちょっと無理だ。 現実に消費税はかなりの部分が益税となっていて国庫に入っていない。

    それでも政府は消費税一元化論を唱えるかもしれない。 すべてを直接税にしたら節税/脱税指南業が儲かる、 俗にいう闇の組織が暗躍・肥大化すると政府は考える。 (注:ここではむしろ闇の組織のほうが正義の味方である。 よりいい話をもってきてくれるのは政府でなく彼らのほうである。 多くの場合、取引は自発的なものだし、闇の組織の間で競争もある。) 政府はライバルである彼らを徹底攻撃で潰そうとするだろう。 だがどの税金も究極的には同じものだ。ただ人から盗むことである。 すべてを間接税にしても人々は直接税と同じように防衛行動をとろうとするだろう。

    消費税一元化論というのは(公平性ということに加えて)行政コスト削減ということで けっこう支持される。だが政府は行政コストをいくらでも大きくしうるし、 消費税と所得税のどちらに一元化しようとやはり全体の非効率の程度は同じになるだろう。

    いろいろ書いたが最初の生活保護の問題に対するリバタリアンの答えは決まっている。 すべての税金は悪である。 何かを得ようとするときは自発的な交換によるものでなければならない。 再分配政策はすべて否定される。 福祉はすべて自発的な寄付行為によるものでなければならない。


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