アナルコ・キャピタリズム研究(仮)

2つのリバタリアニズム――自然権論と帰結主義


ここではリバタリアニズムについて簡単に見ておきます。

前回少し述べたように、リバタリアニズムとはひとことでいえば 「政府の介入をよしとしない」考え方のことです。 あるいは「個人の自由を最大限認めよう」 という考え方です。

リバタリアニズムは何も奇抜で新しい考え方ではありません。 それどころか由緒ある伝統的な考え方です。 ジョン・ロックとアダム・スミスの名前は誰でも聞かれたことが あるでしょう。

リバタリアニズムはその主張の根拠によって大きく2つの流れに分けられます。 ひとつは「自然権論的リバタリアニズム」で、 もうひとつは「帰結主義的リバタリアニズム」です。 そして前者はロックを、後者はスミスをそれぞれ祖先にもっているのです。

自然権論的リバタリアニズムは 自然権を根拠に組み立てられていくリバタリアニズムです。 自然権とは簡単にいえば 「国家が存在する前から人間がもっている権利」 のことで、 自然権思想とは「もともと人は自由で平等だよ」的考え方です。 自然権思想の開祖はジョン・ロック(1632-1704)です。

帰結主義的リバタリアニズムは 「自由であるほうが結果的にみんなハッピーになる」 というリバタリアニズムです。 「ほっとけばうまくいく」。 これを聞いてまず思い出すのは アダム・スミス(1723-1790)ではないでしょうか。 彼の「神の見えざる手」という 主張はたいへん影響力のあるものでした。 じっさい経済学は「神の見えざる手」を 中心に発展したといえ、 スミスは経済学の開祖とされています。

リバタリアニズムは ジョン・ロックとアダム・スミスという正統の流れをくみ、 自然権論と経済学という2つの理論的バックをもつ 強力な自由主義思想です。


◆参考サイト

  • Libertarianism From Wikipedia, the free encyclopedia
    http://www.wikipedia.org/wiki/Libertarianism

    "Libertarianism is a political philosophy which advocates individual rights and a limited government. ..."

    訳: リバタリアニズムは<個人の権利と 制限された政府>を唱える政治哲学である。

  • About Libertarianism
    http://www.geocities.com/Athens/Ithaca/2564/lib.htm

    "... There are two kinds of arguments for libertarianism which are complementary namely, deontological arguments and consequentialist ones.

    ... Deontological arguments emphasise the moral case for respecting an individual's right to do what he/she wants so long as that individual does not initiate force or fraud against others, thereby violating their equal rights to freedom.

    ... Consequentialist arguments emphasise the pragmatic case for freedom. For instance there is the Hayekian argument that a relatively unrestricted free market sustained by impartial rules of just conduct conveys information about human needs and thus satisfies individual preferences more efficiently than any overambitiously interventionist attempt at ensuring particular outcomes; the Chicago school approach of looking at actual harms perpretated by government interventions such as drug laws which increase crime and minimum wages which increase unemployment; ..."

    訳: リバタリアニズムには互いに補い合う2種類の議論がある。 すなわち「義務倫理的(自然権論的)」議論と「帰結主義的」議論である。

    「義務倫理的(自然権論的)」議論は道徳的なものを強調する。 つまり個人は、他人に武力を使ったり不正を働いたりしない限りにおいて、 したがって皆が平等にもつ自由への権利を侵害しない限りにおいて、 やりたいことをやる権利がある。

    「帰結主義的」議論は実用的なものを強調する。 たとえばハイエク主義者の議論である。 公平なルールによって維持される自由市場は、 人間が何を必要としているかということについての 情報を効率的に伝達し、 それゆえ個人の好みを満足させる。 特定の結果を保証しようと試みる どんな野心的な干渉主義者も これにはかなわない。 他にはシカゴ学派もそうである。 たとえばドラッグ禁止法が犯罪を増やすとか 最低賃金法が失業を増やすというように、 政府の干渉が引き起こす実際的な害悪を考える。

  • John Locke and Natural Rights - Background to the American Revolution
    http://7-12educators.about.com/blamrevlocke.htm

    "John Locke argued for limited government. The Social Contract set forth by Thomas Hobbes was able to be dissolved if the goverment did not fulfill its obligation of securing the people's natural rights: life, liberty, and property. Therefore, Locke openly questioned the 'divine right' of Kings."

    訳: ジョン・ロックは制限された政府を主張した。 トマス・ホッブスのいう社会契約は、 政府が人々の自然権(生命・自由・財産)を守る義務を 全うしないならば破棄されうる。 それゆえロックは王権神授説に公然と異議を唱えたのだ。

  • Adam Smith - Libertarian
    http://www.theadvocates.org/celebrities/adam-smith.html

    "Very few authors have done as much as the shy Scotsman Smith (1723-1790) to show that society does fine when people are free. While Smith didn’t originate many ideas, his big book The Wealth of Nations (1776) was the most impressive and influential presentation. He critiqued Britain’s colonial empire and its system of trade restrictions known as mercantilism. He explained how society prospers when private individuals peacefully pursue their self-interest."

    訳: 人々が自由に行動するとき社会がうまくいく ということを、この内気なスコットランド人ほど見事に説明した人間はいない。 スミス(1723-1790)はオリジナルなアイデアこそあまりもっていなかったが、 その大作『国富論』(1776)は最高に印象的で影響力のある プレゼンテーションだった。 彼はイギリスの植民地政策と保護貿易(重商主義)を批判した。 彼はまた、(国でなく)個人個人が平和に私利を追求するとき、 社会は繁栄することを説明した。

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