アナルコ・キャピタリズム研究(仮)

リバタリアンvs.知的財産権 

06/02/18 リバタリアンにとってプライバシー権と並ぶ微妙な問題として知的財産権がある。 (特殊ケースだが、アイドルの私生活を盗撮して写真週刊誌に売るというなかなか擁護しにくいヤツを考えると、それは場合によってはプライバシー権と同時に肖像権(パブリシティ権)を侵害しているとされる恐れがある。)

知的財産権の代表的なものとして著作権や特許権などが挙げられるが、 それらはいずれも政府によって与えられた独占権である。 となるとリバタリアンは黙って見ていられない。

ここは自然権論者と帰結主義者の意見が分かれるところである。 子供たちがネットから音楽をただで手に入れるとき、 窓からFBIの特殊部隊が突入してくるかもしれないが、通常の意味での財産権を侵害していることにはならない。 だがインセンティブと効率を第一に考える帰結主義者は、 著作権や特許権を場合によっては認めることが多い。

著作権や特許権があるアナルコ・キャピタリスト社会は考えられるし、 そうでない場合も想像できる。 たとえば著作権がなくとも作曲家のインセンティブを何も阻害せず、 かつ彼がコピーを売って十分儲けることが何らかの方法で可能なら、 その著作権は非効率な結果をもたらす可能性が高い。

(なお知的財産権はリバタリアンの中心的テーマの一つで、L@Jにいろいろと詳しいentry1, entry2)。 このサイトでもまた論じるつもりである。 ところで上のアイドルの例では、 おそらく脅迫やゆすりで金を得たほうが事後的には効率的になるが、 そういう行為の方はふつう違法になる。 これもまたリバタリアンにとって微妙で議論に値する問題の一つであり、 今後また紹介することになるはずである。)


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